奈良朝文法史

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奈良朝文法史

山田孝雄

奈良朝文法史 一冊

 山田孝雄著。大正二年刊。序論には歴史的日本文典編纂には記録に表れた語法の變遷を精査せねばならぬと云ひ、次に文法変遷の跡を奈良朝以前より江戸期に至る迄六期に分ち更に各時代の文法資料文法変遷をも略述してゐる。又單語の變遷にも用言助詞の如く著しいもの、體言副詞の如く著しからざるものがあると云って本論では奈良朝文法(藤原朝も含む)の研究資料を檢討し限定して、次に語論と句論及び東歌にあらはれた特殊な語法について章段を分け多數の用例を擧げて歸納的に研究してゐる。因にこの時代には文語口語の區別はなかったと思はれるからその区別をたてないと云ってゐる。本書が日本文法史の起點となるものであり、國語系統の研究に貴重な資料を提供するものである等その價値はこゝに云ふ迄もない。猶「平安朝文法史」の巻末に本書の補遺が載ってゐる、併せ見るべきである。

亀田次郎国語学書目解題」)