定家假名遣

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定家假名遣

定家假名遣 一巻一冊

 「假名文字遣」とも「行阿假名遣?」とも言ふ。源親行の著でその孫行阿の増補したものと言はれて居る。文明十年書寫本、文安五年奧書本、慶長頃の刊本、正保五年刊本、萬治二年刊本、貞享本、元祿本、寛政本、語學叢書?第一編所收本。その他數種傳へられてゐる。文安寫本には目録及び附録(定家卿口傳?・人丸秘抄?)を缺き、板本は附録を缺き、またその目録には「一定家卿口傳二人丸秘抄」と記してゐる。これが爲に「定家假名遣」は一にまた「二人丸秘抄?」とも云ふと誤傳された。勿論これは附録第二「人丸秘抄」の誤りである。本書は親行?が定家の家集「拾遺愚草」を清書する際を、お、え、ゑ、ヘ、い、ゐ、ひ、の八字の假名遣法を定め記したもので、定家の校閲を得、後に孫行阿が更に、ほ、わ、は、む、う、ふの六字の使用法を増補したと言はれる。而して本文附録共夫々これ等の假名を含む語句を羅列したのみで説明はなく、從ってその標準が何に依るかわからない。その集められた語句は奈良朝平安朝初期の假名遣と異るものが三分の一もあるから、所謂歴史的假名遣とも云へない。しかるに中世以後歌道に於いては之を定家と結びつけて尊重し、契沖歴史的假名遣を「古假名?」と云ひ之を「今假名?」と云って盛に用ひたが本書の學術的價値はその標準不明の爲に決定し難いが假名遣の最古の書である事や、契沖歴史的假名遣を生む縁になった事等にその歴史的價値を認めるものである。

【末書】

* 假名遣近道初心假名遣。一歩假名遣?類字假名遣。(新増假名遣?とも云ふ、荒木田盛徴の撰にして寛文六年刊。定家假名遣配列いろは順に改め増補したもの)等がある。

亀田次郎国語学書目解題」)