山口栞

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山口栞

山口栞 三巻三冊

 文政の初東條義門著。天保四年削補、天保七年刊。文政元年の奥書ある二冊の傳寫本は草稿本である。「言葉の八衢」によって活用研究はその大綱は組織立てられたが部分的には不備な出が少くなかった。本書はその不備・誤謬を補訂したものである。即ち言語音聲の轉ずるのに凡そ三つの差別ある事、誤り易い活用活用が時代によって變化してゐる事等に關する研究、五十音の各行についての活用研究、形状言形容詞)の活用、轉聲等に就いての研究、漢文の訓についての研究などである。その中特に形状言の研究が最も出色あるもので、從來も「御國詞活用抄」「脚結抄」「活語斷續譜」「詞の八衢」等にその研究を見たが極めて幼稚不十分であったのを、本書はこれを究めて完全な活用形見出したもので國語學史上特筆すべきものである。(この活用形を「友鏡」「和語説略圖」に於いて圖示して居る)

【參考】

* 山口栞初稿と當時の批評安藤正次國學院雜誌」十五ノ六。

亀田次郎国語学書目解題」)