新式日本文典原理

個人情報保護法は「生存する個人に関する情報」が対象ですが、ここの人物情報は、故人の情報が殆どです。そうでない人についても公的な情報しかありません。 国語史グループとの差別化も考えて、オープンにしました。

新式日本文典原理

新式日本文典原理 二巻一冊

 「論理的日本文典」とも云ふ。岡澤鉦次郎?著。明治四十年刊。國語の討究を始めるには先づ文法研究の原則を知らなばならないと云って、これについて二個の原則と一個の補充原則とを立てゝ、次に所謂文典原理なるものを三篇に分けて記してゐる。則ち二個の原則とは第一「言語ニアラハサルベキ思想ハ、或ル覊絆ノ下ニ立ツ一種ノ特性ヲ有スルモノナルガ故ニ文典原理研究ノ對象タル思想ハ、其ノ特性ヲ有スル思想ナルベクシテ、其ノ特性ヲ成ス覊絆ヨリ自由ナル思想ナルベカラザル事」第二「其ノ對象タル思想ハ、根據ヲ其ノ特性ヲ支配スル思想表白法ノ形式ヲ符徴的ニ保有スル言語ニ取ツテ、歸納的ニ求メ出サルベクシテ、標準ヲ其ノ對象ヲ自由ナル思想ニ取ツテ分析推究スルヲ常トスル通常ノ心理學的智識ニ求メテ、演繹的ニ言語ノ符徴ヲ進退セシムベカラザルコト」補充原則とは「或ル民族ノ思考状態及ビ其ノ國語形式上ノ変遷ノ研究ト數多ノ民族ニ亙リテノ思想表白法ノ形式的範疇ノ比較研究ヲ必要トス」と云ふのであって、これに據って文典の根本原理或は語性論の全般に関する原理等の項の下にその所論を述べてゐるのであるが、その組織内容も從前の文法書と全く異り、國文法研究に新らしい一面を拓いたものと言へる。併しその餘りに理論に傾き過ぎた點は事實に即して爲さるべき文法研究として遺憾であり首肯し難い點が少くない。

亀田次郎国語学書目解題」)