詞八衢

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詞八衢

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言葉の八衢 二巻二冊

 文化三年本居春庭著。文化五年初刊本、同十三年刊本、文政元年、弘化三年、慶應二年、明治十七年等の諸刊本本居宣長全集所収。「御國詞活用抄」「詞の玉緒」「活語斷續譜」等を基礎として廣く中古言によって言葉の活用とその係結とを研究したものであるが、四段、一段、中二段、下二段變格等、活用の類別は本書の創唱になるもので今日もなほ大體襲用されてゐる。又活用形を六段に分つ事も本書を嚆矢とする。尤も下一段活用を逸し、ラ行變格について明確な見解を有たなかった事は動詞研究の書としては不備な點である。その他形容詞及び助動詞の大部分は殆んど顧られなかったことも本書の缺點であるが、活用研究の基礎を確立した事にその劃期的價値を認めなばならない。即ち本書は古く平安朝末期から起った假名遣及び手爾波の研究に對して、新しく徳川の中期に至って漸く初まった活用の研究に學的独立を附與したものであり、爾後活用研究家を「八衢派」と稱して手爾波呼應研究家を「玉緒派」と云へるに對立せしめたのも尤なことゝ思はれる。

【末書】

「言葉の八衢疑問?東条義門著。文化八年、文化十年の二書がある。後者は前者を補ったものである。「八衢」の誤謬を指摘してゐる。

「友鏡底廼影科?」二巻 東条義門著。八衢を増補訂正して八衢中に書入れて置いたものを歿後小田清雄?が書入を抜出したもので書名は小田清雄?がつけたものである。卓説に富んでゐる。

詞八衢捷徑詞玉緒統括/辭玉襷富樫廣蔭著。文政十二年奧書刊本。「八衢」の言葉の活、「玉緒」の手爾波呼應の研究を合せて一枚の圖に示したものである。義門の「友鏡」の所説も受容れてその活用の種類を七類、活用形を五段にした組織は「八衢」より遥に進歩してゐる。

「八衢大略?」一巻 足代弘訓著。安政四年奥書刋本。「八衢」を基礎として其要点を記したもので廿五章から成る。

「八衢補翼?足代弘訓著。活用音韻變化、てにをは等について隨筆的に記してゐる。

「詞の八衢補遺?」(蔭踏道?とも云ふ)二巻 中島広足著。安政四年刋。上巻は「八衢」及び「山口栞」に漏れた用言についての研究。下巻は附録として「だに、すら」「さへ」の使ひ方等について記してゐる。

詞の直路」二巻 山田直温?著。「八衢」に出てゐる用言を總べて五十音順配列してその活用な記してゐる。

「詞八衢補正?」三巻 岡本保孝著。上巻には「八衢」の序文批評。「八衢」に漏れた動詞等を記し中巻以下は四種の活用、受ける詞略言、延言等その他見る可き所説が多い。

「増補標註/詞の八衢?」二巻 清水浜臣増補 岡本保孝標註 加部巌夫?校正 明治十三年刊。浜臣?及び保孝?の書入れを上欄に記してゐる巖夫の説は僻言が多い。

「詞八衢頭註?」二巻 権田直助著。「八衢」に關する諸家の説及び自家の所説を書人れてゐる。

「言葉のやちまた語釈?」二冊 渡邊弘人?著。明治十七年刊。明治廿五年「改正増補/言葉のやちまた語釈」一冊刊。擬古文で記されてゐる「八衢」の難解な点に口語釋をなし、又上欄に單語解釋、語法上の解釋を加へたもの。

詞の通路」(別項參照)

「八衢靹の響?」百巻 生川正香著。用例を豊富に集めてゐる。

亀田次郎国語学書目解題」)