韻學秘典

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韻學秘典

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/kokusyokaidai/i/kokusyo_i094.html

韻學秘典は今内閣文庫に蔵せられる。慶長十一年藤原惺窩木下長嘯子を訪ひて談、九弄反紐法に及んだ。たま/\惺窩は紀府の行が逼つたので九弄圖解を爲りて長嘯子に示した其の草稿によりて玄同が寫したものとの奥書が有るが、九弄圖解は本書の續集で有る。奥書のさし次に「反切歸納の附圖は予が新に増し幼學をして其の法に疑無からしむる所」とも有るから正の四卷は玄同の元和七年(二二八一)の撰だらう。四卷の(一)には假名反切秘傳 (二)には名乗反切秘傳(三)には諸例秘釋(四)には調韻要訣を收めて韻學の用語等をも説いて居るが、韻鏡の圖には觸れす何時も「深秘に至りては須らく口傳耳授を受くべく筆墨の能く盡す所に非ず」と逃げて居る。たゞ調韻要訣の漢音呉音法で(標目は今加へたもの)

漢音イ段呉音ウ段 久キウク應イヨウウヲウ  漢音エ段呉音ア段 西セイサイ卦ケイカイ

同 イ段同 オ段 血キョクコク 同ダ行同ナ行内ダイナイ農トウナウ

囘 ア段同 イ段 客カク錯キャク 同エ段同ウ段元ゲングヮン鶴カククヮク

同 ウ段同 エ段 會クヮイヱ懐クヮイヱ

と類従せしめて居るは面白い。

岡井慎吾日本漢字学史