詞の玉橋

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詞の玉橋

富樫広蔭

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http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/kokusyokaidai/k5/kokusyo_ko091.html

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/syomokukaidai/ka/kaidai_ka150.html

詞の玉橋 二巻二冊(或は一冊)

 文政九年富樫廣蔭著。弘化三年改正、明治廿四年刊。主として活用係結の事を研究してゐる。初に活用の事については「詞の八衢」によく説いてゐるが 説く所 義理深幽且つ詞辭簡約なる爲 初學者には難解と思はれる故 今 自分は「八衢」や「玉緒?」の説に依って、自分の創見をも加へて解り易く説くと云ってゐる。本文では國語は「言」「詞」「辭」の三種に分類すべきであると言って三大綱を立てその各を更に数種に分けてゐる。(一)言とは世間のあらゆる物事を云ひ分つ音でその語尾活用しない。所謂體言と稱するものである。これに形言?・様言?の二種あり詳しくは五種に分たれる。(1)形言?(物の形を指分つ語)(2)様言?(物の樣を指分つ語)(3)居言?(詞の韻を言ひ居ゑたもの)(4)略言?(詞の韻を略したもの)(5)合言?等である。(二)詞とは萬物の有様働きを言ふ語で世に用言と言はれるものである。六種に細分される。(一)四韻詞?四段活)(2)一韻詞?(一段活?)(3)伊紆韻詞?(中二段活?)(4)衣紆韻詞?(下二段活?)(5)変格詞?(加・佐・奈・良行の変格?)(6)雑音詞?(久活?志久活?)(三)辞とは物事について思ふ意象を顕し尽すもので、(1)動辭?(現在の助動詞)と(2)靜辭?(現今云ふ手爾波)とがあると云って一々説明し、又一般に文法上誤り易い點について記して居る。この品詞の区別は本書中最も見る可きもので、殊にはその「辭」の一類を立てゝこれを動・静二辞に分けたことである。本書以前に成章義門等夫々品詞の分類を試みたが本書はそれ等に比し格段の進歩である。この品詞を三大分類した事はその細部に於いては缺陥あるにせよ とに角勝れたもので明治大正の學界にこの説を奉するらのが少くない。

【末書】

* 「蘿蘰」、堀秀成著。別頃多照。

【参考】

* 「詞八衢捷徑 詞玉緒統括/辭玉襷富樫廣蔭著。文政十二刊。著者の所謂「詞」及び「辞」の活用及び係結の一枚刷?図表である。

亀田次郎国語学書目解題」)