語学指南

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語学指南

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語学指南 四巻四冊

 明治八年佐藤誠實著。明治十二年刊。明治維新以後西欧文明の謡歌移入と共に國文典も亦西洋文典模倣のものが多く出た。是等は一面整然たる組織を有つと共に細部では缺點が少くなかった。この潮流に対し一方舊來の文典に流を汲む反洋式文典の出現を見たのであるが。本書も「玉緒」「八衢」流の反洋式文典の代表的なるものであって「八衢」「通路」「山口栞」等の説を基本として初學者の爲に國語法の一般を説いてゐる。本書では國語體言用言形状言助詞の四種に分ち、更に用言形状言活用によって夫々三種に分けてこれを説明し、次に將然連用終止連體已然の五段、用言の自他・命令言・雅言・俗言の別(以上巻一)五十音各行の活用(以上二・三巻)形状言活用助詞の概要、活用助詞の圖示、或は延言約言その他について説明し、次に俗語について述べ合ぜて活用圖を示して居る。而して上記品詞を説くに當つては古文献約百四十部から用評例を蒐集し又その用語を時代的に四期に分けてゐる等周到な注意を拂つてゐる。本書は一面には、助動詞と助辞とを一括して「助詞」と云ふ一品詞にしてしまった事、用言活用下一段活用を逸した事、活用形命令形を加へなかった事、その他不備はあるが全體として首尾一貫し、その用語例の豊富な事殊に俗言の活用を説く等見るべき點が多い。(因に口語研究書としては本書と前後して里見義の「雅俗文法便覧」があるがその研究成功の前後は孰れとも遽に定め難い。)

【參考】

* 日本文法史 福井久藏著。明治四十年刋。

亀田次郎国語学書目解題」)