韻鏡切要鈔

個人情報保護法は「生存する個人に関する情報」が対象ですが、ここの人物情報は、故人の情報が殆どです。そうでない人についても公的な情報しかありません。 国語史グループとの差別化も考えて、オープンにしました。

韻鏡切要鈔

韻鏡切要鈔は寛永三年(二二八六)の住譽無絃の著、全部漢文にて張氏の序例を解したもので圖には觸れて居らぬ。「依切以求音即音而知字」を解して禪字を集韻に多寒切、説文に衣不重也通作單と有る、多寒反によりてタムと知るは依切而求音で、寒気が増多するのだから衣の重ねざる義を得るが即音而知字だとし、三十六字母につきては三十六は四九の數だ、四は増韻に从ロ从八と有る、今一氣の口より出でゝ展轉して七音に分(八は分つ)るのだから四を用ひ、さて四は陰數だから九の陽數を以て之に配したのだが九は説文に象2其屈曲究盡之形1と有りて屈曲の音聲をも究め盡す義を取ったとする類牽強でも有るが人の頤を解くに足る。さて看抜、切要の兩書は名乗反切には毫も觸れて居らぬ。もと/\序例を解するに止まったから其處まで手が延びなかったのだらう。秘典の後に出たとしては兩書に却て古意が存する。又卷尾に三十六字母二十三行を出して五十音を之に配當して居ること例の通だがア行を四囘まで出せるに必ずオを用ひた(ワ行は出さず)も注意すべきことだ。

岡井慎吾日本漢字学史